漆について

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単なる木ではありません

「うるし」とは漆の木から採取した樹液です。大変強い接着力があり、固まるととても丈夫で艶やかな質感をもつ塗料となります。漆は素地の保護や保存を目的とする塗料としてだけでなく、素地を作る接着剤としても、また洗練された装飾の材料としても使えるという優れた性質を持っています。東アジアの各地に複数種が分布し、日本では9千年以上も前から利用されてきました。

縄文

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漆の語源は「うるわし(麗し)」「うるむ(潤む)」ともいわれ、みずみずしく生き生きした艶を表しています。固まれば酸やアルカリにも強く、数千年の時を超えるほどの耐久性を有しています。縄文時代(紀元前8000年から300年)の遺跡から漆製品が見つかっています。それらは木地が朽ち果てたにもかかわらず、漆そのものの塗膜は色鮮やかに保たれていたということが報告されています。

その一方で、うるしは大変デリケートな素材でもあります。採取した時期や年、採取方法によっても質が変わってきます。漆は通常の塗料のような乾燥とは異なり、ウルシオールという酸素に反応する主成分が酵素の助けを得て酸化重合することで固まるのです。この反応を起こすには適度な温度と湿度の両方が必要です。またこの反応は漆器の完成後もゆっくりと進んでいきます。したがって、塗りあがって間もない製品を初めて使う時はできるだけ丁寧に扱ってください。最初の年は3か月もすれば普通に使えるようになり、使い込んで3年ほど経つと底艶が出て熟成された品となります。

 
 

輪島塗

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装飾の技法

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漆の木

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漆器の取り扱い方

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